◆◆◆◆とまと台風

2次版権物描き散らし置き場 : 現在主な取り扱いはjojo2部5部/fkmtアカギ天


エアサプレーナの夜明け



痛覚。
膨大なる長い年月の中で我が肉体には不要と認識し遥か昔に捨て忘れ去った感覚。
あれを最後に身体で感じ得たのはあの大虐殺の日。
そしてその日に捨てたもの。
我らの身体にはあるべきではない因子は出来る限り排除していく事を信条とし
少しずつ長い時間をかけて自らの肉体に手を入れてきた。
全てはあと一歩の所だった。


かつて我らが眠りにつく前この地がローマ帝国と呼ばれるより遥か以前。
この地を統べていたエトルリア人と呼ばれた古い種族が何の為に建築したかまるで定かで無い
"地獄の柱"と呼ばれる巨大な塔がその異様な存在でこの小さなテリトリーを主張していた島。
その地獄の塔をぐるりととり囲むように居住区その他の建築物を打ち建て、遠景から望む島の姿を
さながら要塞の様に変えたのは後に我らをしつこく敵対視してきた波紋戦士の一派であった。

島がまだ要塞の体を擁する以前に我らはこの島を訪れていた。
この半島にはまだ高層の建築物など物珍しい時分であったので
余興がてらの散策気分であったが、墳墓でもないのに上部にしか出入口のない塔の
存在意図が意味不明すぎたのかカーズはずっとあの塔の製作者について
ずっと思索を巡らせていた。
きっと偏屈な変わり者であったに違いない、と延々ぶつぶつほざいていたが
それをお前が言うのか、としかオレはつっこめなかった。
ワムウの奴は戦士の鍛錬の場だとすぐ感じたようで、流石だなと思ったものだが、
はて、後からよくよく考えてみるとあの当時の人間の戦争というものは、まだ碌に
戦場での戦闘形態も構築されていない野蛮人共の本能からの殺し合いでしかなかったので
本当のところの塔の意義は一体何であったのかさっぱり謎のままだ。
人間にもカーズに似たような変人がいたのであろう、などと考えた方がまだあり得る話だ。


そのような塔の成り立ちから波紋戦士一派の拠点になった経緯は語ればまた長い。
ただ、こうしてオレがあの島に再び足を向ける理由は単純明快だった。
慢心?油断していたとは認めたくないが、
今回ばかりはちと長く眠りすぎちまったのか。

大事なのはオレという「個」の勝ち負けじゃねえ。
我らが長い時間を掛けて目指していた終着点に我らという存在が、そこに辿り着けるか否かだ。
その終着点に到達する所をもうオレは見ることが出来ねえ。
まあでもヤツなら成し遂げる筈だ。カーズは必ず成し遂げる。



オレが自分の肉体を失って小娘の身体に取り憑いた時から
オレは自分の意識で痛覚を感じている事に気がついた。
小娘の身体が俺の暴走で感じている痛みが自分のもののように感じているのだ。
その痛覚で過去の記憶が怒涛のようにオレの脳裏に蘇ってくる。
一族全員を手にかけたあの日。
カーズと共に歩む事を決めたあの日。
あの日のヤツの涙。ヤツの血の熱さ。






頬を涙が伝った。
誰の涙だ?
小娘には意識は無い筈だ。
これは?


クソが。
こんな所をヤツに見られなくてよかったぜ。






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